降り続く雨の中

1/1
前へ
/1ページ
次へ
空が明るくなってきた。夜が明けたみたいだ。だけど、雨はまだ降り続いている。 雨、雨、雨…… 激しく降ったり、しとしと降ったり。雲間からお日様が覗いたのは、ほんのわずか。 どうやら、朝ご飯が用意出来たようだ。腰をあげ移動する。ぞろぞろぞろ、共に行動する仲間と共に行動する。 それにしても、朝ご飯が用意された場所、共に行動する仲間といる所から、ずいぶん離れた場所に用意されるのは少々腹がたつ。 雨に濡れながら、進む、進む、進む。両脚が冷え動かし辛いけれど、少しでも多くご飯を食べるために進む。 朝ご飯を終え、仕事を始めることにする。雨が降り続いている中、囲いの中を巡回する仕事だが、食事と寝床を用意されている以上、やらなければならない。 だけど、何時までこの仕事をしなくてはならないのだろう。そしてこの仕事を終わった後、どうなるのだろう。 一歩、二歩、三歩。脚を進めた途端、その疑問は身体を濡らす雨に溶け込み流れていく。 雨の中、心のままに巡回する。 だけども、激しく降る雨は、そんな心を簡単に挫けさせる。 そういうときは、囲いに沿って仲間と共に休む。早く雨が止まないかと、空を見上げながら。 水田パトロール隊、ただいま開店休業中。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加