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「ひっ?! ぎゃああああ!!!!」
次に階段についたのは、足ではなくお尻だった。
三段ほどお尻でガンガンと降りる。もとい、落ちる。
幸い下まで落ちることなく、すぐに体は止まった。
「大丈夫?! ようちゃん落ちたの?!」
孫娘が階段から落ちたのかと思ったらしい母の声が聞こえる。
落ちている時はお尻以外どこかをぶつけている感覚は分からなかったが、止まった途端、今度はどこをぶつけたのか分からないくらい全身、体のあちこちが痛む。
「ううぅ〜……っ、母さーん! ちょっとごめーん、私が落ちたー!」
「ええ?! ばあば水槽洗っとるのよ! ちょっと待って! ようちゃんは落ちてない?!」
「ようちゃんは大丈夫ー!」
金魚の水槽と砂を洗っていた母が、作業を中断して駆けつけてきた。
徐々にお尻と右足先の痛みが強い事がハッキリしてくる。
痛みのショックか頭から血の気が引き、吐き気が。
「ちょ……下に降りる……横になりたい」
「大丈夫? 一人で降りれる?」
「うん、降りれる……」
貧血の時のように横になりたくなったため、ぜーはーしながらも何とか座ったままゆっくりと下まで降りた。
降りると力尽き、私は玄関でぐったり横になる。
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