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「大丈夫ですか? お荷物お持ちしましょうか?」
「ありがとうございます。だ、大丈夫です」
恥ずかしくなった私は、受け取った診察券を慌ててバッグにしまった。その後薬局で薬を受け取り、待ちくたびれでグズグズ言う子供達と一緒に帰路に着く。
帰りの車の中、少しずつ強くなっていく鈍痛。やはり包帯がキツ過ぎたのかもしれない。いや、かもではない、絶対そうだ。
だが心配ない。私にはロキソニンがあるのだから。
帰宅した時には、呻くほどの痛みになっていた。私は早速ロキソニンを服用してみる。二十分ほどで効果が出始め、痛みは和らいだ。だが少し体勢を変える時、松葉杖をついて歩く時、ロキソニンをもってしても抑えきれない激痛が私を襲う。
足先を見ると、指の関節がなくなるほどパンパンに腫れ上がり、左と比べると指の長さまで違って見える。こ、これ、やっぱ駄目じゃない?
「痛い、無理……」
堪りかねた私は思い切って包帯を解き、自分で巻き直すことにした。
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