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いつもは、また降るからと、躊躇してしまうところだが、今日は走りたい気持ちが先に立った。
慌てて着替え、準備運動もそこそこに外に飛び出すと、霧雨が降っていた。
ひどくならなきゃいいけど、と思いながら、鮎香は慣れた川沿いのコースを走り出した。
周りには人っ子ひとりいない。心もとない気分で、薄暗くもやがかかった道を一人単調に進んでいく。
あたりは静まりかえり、聞こえてくるのは、自分のふっふっという息づかいだけだ。
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