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「女の子の髪はさー、大事なの。だから、お前が切るもんじゃない。そんなに切りたいなら、俺がお前の切ってやろーか。ワカメちゃんくらいに」
俺はハサミを奪い取って、今度はその女にハサミの刃先を向けると、
「坂井、あんた、こいつの味方?!」
と女が俺に凄んだ。でも全然怖くない。俺はその女をジッと見つめると、女は動揺して、
「な、なによっ!!文句あるの?!」
と怒って言うけど、俺はなんだかニヤリと笑った。
「よく見ると、可愛いな、お前。なんだよ。笑ってればいいのに。イジメなんてそんな下らないことは、中学までにしとけ。そんなにくだらない何かにこだわるなら、俺、相手してやってもいいけど」
「えっ?!」
女はそう言って顔を真っ赤に染めた。鳥越と富田は口笛を吹いている。他のクラスメイトたちもザワザワし始めた。
「手始めに、屋上でも行こっか」
「はっ?!え?!」
俺はそいつの手を掴んで教室を出ていくと、屋上に上がった。屋上には他にも生徒たちがいるけど、構わずに俺はそいつを壁に押しつけて、頬を撫でた。その子は頬を赤らめて、胸を高鳴らせている。そして、俺の目から離れられない。
「坂井…あんたっ」
「俺の女になるって、どう?」
俺はそう言って、そいつの唇を塞いだ。
「んっ…!」
女は抵抗する様子もなく、しまいには俺に抱きついてきた。俺はキスを繰り返しながら、微笑んでそいつを抱きしめた。
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