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それから、俺はその女、ケイコと付き合うことになり、クラスのいじめはなくなった。
あれからいじめられていた女の子を鳥越も庇い、富田と一緒にどこかに行って、2時間後に教室に戻ってくると、おさげの女の子は肩まで髪を切って、前髪も切って、眼鏡をやめてコンタクトにしてきた。まるで別人で、教室にいたみんなは顔を見合わせてざわついている。俺もケイコの肩を抱いて教室の後ろにいて、
「へぇ、可愛くなったじゃん。やるなぁ、鳥越、富田」
と俺が言うと、俺たち3人はハイタッチして笑い合った。
「まぁな!こういうのは得意!女を可愛くするのは、男の役目だもんな」
「そうそう!いいこと言うねぇ、トリ!」
鳥越と富田は得意げだ。俺は頷いてケイコの肩を抱きながら、
「いいか。みんなも、もういじめなんてガキみたいなことすんな。つまんねぇだろ。楽しくやってこーぜ。分かったな?お前もだぞ、ケイコ」
俺がケイコの顔を覗き込んで言うと、ケイコは唇を尖らせながら、
「分かったわよ。そのかわり、私と遊んでくれるんでしょ?」
と言って俺の腕にしがみついてきた。鳥越はそんなケイコの肩を掴むと、
「俺も相手してやってもいいぜ?そいつより、優しいと思うけど」
と言うと、ケイコは微笑んで身を乗り出して、
「そうなの?楽しみ。鳥越とも仲良くしたいなぁ」
と言って鳥越に甘えた口調で上目遣い。俺と鳥越は顔を見合わせて、笑った。
「いつでも大歓迎!」
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