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俺が喧嘩で警察に補導されていると、井上さんが飛び込んできた。
「理!!」
井上さんは血相を変えて現れて、俺は横を向いてチッと舌打ちした。
「喧嘩しないって約束しただろうが!!」
井上さんはそう怒鳴って、俺の頬を殴り飛ばすと、俺は椅子から転げ落ちた。
「いってぇ!!オッサン、別に俺から始めたワケじゃ」
「言い逃れか?!言い訳か?!!」
「人の話聞けっつってんだろ!?」
俺が頭に来てそう怒鳴ると、もう一発殴ってきた。そこに別の警察官が来て、
「井上さん、ちょっと待って下さい!今回はホントに、巻き込まれただけですよ。たまたま一緒にいた女の子が、組のボスの彼女だったみたいで、勘違いで囲まれちゃったんだ。坂井くんからじゃないみたいです!」
とフォローしてくれた。
「ほらみろ!」
が、井上さんは俺の体の上に跨って襟首を両手で掴んでいる。
「女?!今度は女問題か!お前は!お盛んだなぁ!!」
「ひでぇよ。井上さん!殴りすぎじゃね?」
と俺が言って唇から血が出てて手の甲で拭うと、
「ったく!!なんでお前は…。で?どっか怪我は?」
と井上さんは溜息をついて言うと、そばにいた警察官も「あー、それが」と言葉を濁した。
「それが、向こうのほうがかなり重傷でして…」
と頭をかきながら言うと、井上さんは再び俺を睨みつけた。俺は、頭をかいて、
「ははっ。ちょっと、本気だしちった」
と言って、笑ってごまかすことした。
「手加減覚えろ!!クソガキが!!」
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