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井上さんがようやく離れてくれて、俺は井上さんに腕を引っ張られて立ち上がり、
「刑事のくせにすぐぶん殴るんじゃねぇよ。暴力だ、暴力!!横暴だ!そんなんだから奥さんの1人も貰えないんだからな!」
と言って椅子にドカッと座ると、井上さんは腕を組んで俺を睨みつけた。
「お前が奥さんがどーの語ってんじゃねぇよ。そう言うお前はそんなにモテモテだと、早くにデキ婚しちゃうんじゃねーか?」
「現役高校生に何言ってんの?馬鹿なの?それに、そんなヘマはしませーん。気をつけてまーす!そんなんで人生棒に振りたくないし。デキても、結婚なんて絶対にしない!」
俺が膨れて言うと、井上さんは眉をひそめた。
「そんなの分かんねえだろ。意外にいい父親やれるかもよ」
「気持ち悪い…無理!絶対ない!だって想像できる?俺がガキあやしてるとこ」
「……ホラー映画だな。はいはい。とりあえず、学校にも報告したから…」
と井上さんが言いかけると、廊下を駆けてくる足音が響いて、
「こらぁーーーーー!」
と遠くから足音と一緒に雄叫びが聞こえて、俺はギクッとした。ドアをガラッと開けて現れたのは、担任の教室、杉崎という若い女教師だった。
若いくせに熱血で暑苦しい…そのくせ生徒から人気もある。長い髪をいつも後ろで1つに結って、白いブラウスにパンツスタイル。
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