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俺と杉崎が喧嘩になると、学年主任の中年男性教師は杉崎の肩を掴んで、
「杉崎先生も!そうやって直ぐに殴るんじゃありません!暴力ですよ、暴力!!」
と怒り始めて、杉崎は肩をすくめて唇を噛んだ。
ザマァみろ!!
杉崎もガミガミ叱られて、学年主任の前に俺と杉崎が正座させられると、学年主任は腕を組んで鼻息を荒くした。
「とりあえず…何か部活とかやらせてみませんか?」
と学年主任か言い出すと、俺は「は?!」と言って驚いて学年主任を見上げた。杉崎は何度か頷いて、
「それはいいですね。じゃ、運動部がいいでしょう。野球部とか」
と言って微笑むと、俺は立ち上がり、
「やってらんねぇ。野球部なんて死んでもやだ。ちっちぇえボールをみんなで追っかけて、なにか楽しいんだよ」
と言うと、杉崎はその場で野球部の入部届を書いて学年主任に渡した。
「じゃ、よろしくお願いしまーーーす!」
「早くね?!!なにそれ!野球部?!!そんなもん」
「あ、監視役もひとりつけます。親戚の子なんですけど、たまたまこいつと同じくクラスだし。女の子だけど、男に負けない強気な子だから、ちょうどいいでしょ」
話が俺をそっにのけに、どんどん進んでいきやがる。杉崎がドアの方を向いて、
「まりあ」
と呼ぶと、ドアをゆっくりと開けて、天然パーマの髪を肩の上に揺らして、縁のある眼鏡をかけたクラス委員の南崎まりあが入ってきた。
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