epi1 モテる男?!

17/18

334人が本棚に入れています
本棚に追加
/183ページ
話したこともないですけど!!! 俺は呆気に取られていると、杉崎はそのクラス委員の肩を抱いて、 「しっかり者で面倒見もいいし、しばらく坂井を見張っててもらおうかな。どう?やってくれる?」 と訊ねると、クラス委員はため息をついて俺を睨みつけた。 「調子に乗ってるよねぇ。かっこいいって評判だし。私、そういうのほんと、嫌い。いいわ。私に任せて、叔母さん」 「ここでは、先生.と呼ぶのよ」 「はいはい」 そうして、俺は強制的に野球部に入部。基礎的な練習のみ参加、ということを許された。毎日出られる約束なんて出来ないから、せめて週3。で、野球部のマネージャーをしている南崎まりあが俺を監視していた。 「本当に、チンピラとケンカなんて、なに考えてるの?馬鹿じゃない?」 俺がパッドを持って素振りをさせられていると、そばで南崎がずっと文句を言っている。 ウザい!! 「不良じゃないんだから、ケンカで補導って、本当にあるんだ。ドラマだけかと思ったわよ。最悪。で、あんたの監視役?!私の時間返してよね!」 「うるさいんだけどー?!もう帰っていい?」 俺はバットを振るのをやめていうと、南崎はため息をついた。 「素振りあと50回ね」 「は?!!ふざけんな!!」 そこに富田と鳥越がやって来て、 「マジで入部?信じらんない」 「しかも、野球?坂井、ウケるんですけどー」 富田と鳥越がからかってそう言うと、俺はバットを素振りするフリして放り投げてみた。すると、バットは富田と鳥越の間に勢いよく飛んで行った。
/183ページ

最初のコメントを投稿しよう!

334人が本棚に入れています
本棚に追加