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話したこともないですけど!!!
俺は呆気に取られていると、杉崎はそのクラス委員の肩を抱いて、
「しっかり者で面倒見もいいし、しばらく坂井を見張っててもらおうかな。どう?やってくれる?」
と訊ねると、クラス委員はため息をついて俺を睨みつけた。
「調子に乗ってるよねぇ。かっこいいって評判だし。私、そういうのほんと、嫌い。いいわ。私に任せて、叔母さん」
「ここでは、先生.と呼ぶのよ」
「はいはい」
そうして、俺は強制的に野球部に入部。基礎的な練習のみ参加、ということを許された。毎日出られる約束なんて出来ないから、せめて週3。で、野球部のマネージャーをしている南崎まりあが俺を監視していた。
「本当に、チンピラとケンカなんて、なに考えてるの?馬鹿じゃない?」
俺がパッドを持って素振りをさせられていると、そばで南崎がずっと文句を言っている。
ウザい!!
「不良じゃないんだから、ケンカで補導って、本当にあるんだ。ドラマだけかと思ったわよ。最悪。で、あんたの監視役?!私の時間返してよね!」
「うるさいんだけどー?!もう帰っていい?」
俺はバットを振るのをやめていうと、南崎はため息をついた。
「素振りあと50回ね」
「は?!!ふざけんな!!」
そこに富田と鳥越がやって来て、
「マジで入部?信じらんない」
「しかも、野球?坂井、ウケるんですけどー」
富田と鳥越がからかってそう言うと、俺はバットを素振りするフリして放り投げてみた。すると、バットは富田と鳥越の間に勢いよく飛んで行った。
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