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「んなわけあるかよ。俺今ちょーどフリー。あんたも、鳥越のこと、好きじゃないんだろ?じゃ、いーだろ?」
「いやよ。なんであんたなんかと」
「えー?じゃ、やっぱあいつのこと好きなんだ。ふぅん。あいつが知ったら、大喜びで多分今夜部屋に忍び入るよ」
俺が言うと、南崎はパックに焼きそばを超大盛りで持って紅生姜もてんこ盛り、青のりたっぷりかけて、
「お待たせしましたー!!!」
と言って俺に差し出した。顔がまっかっか!俺は焼きそばを受け取って五百円玉を置くと、備え付けの割り箸を取って、
「じゃーーーな」
と言って背中を向けて歩き出した。が、
「いいわよ。付き合っても!」
と南崎が後ろで言いだすから、俺は驚いて振り向き、南崎を見てニヤリと笑った。
「じゃ、帰り、待っててやるよ。よろしくな」
「えっ?!」
「覚悟して!」
俺はニヤニヤ笑いながら、鳥越たちのいる席に戻ると、鳥越は一人の彼女と残っていて、彼女の肩を抱きながら俺を見上げた。
「え?なに、その量。罰ゲーム?!」
と呆れた口調で言うと、俺は鳥越を見てニッコリ笑った。
「愛の量かもよー」
そう言ってビニールシートに胡座をかいて座ると、鳥越は声を上げて笑った。
「愛とか、お前が言うな!背筋が凍る!いや、真夏だからホラー映画かな!」
「うるせー。そんなことより」
俺は空腹だったから、ムシャムシャと焼きそばを食べ始めた。
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