epi2 デート攻略法

7/18

334人が本棚に入れています
本棚に追加
/183ページ
南崎は腕を組んで怒っていると、俺は頭をかいて横を向いた。 「デートなんかしないもん。すぐホテルとか行くし」 「乱れてる…!!」 南崎の冷たい眼差しに、俺はため息をついた。 「楽しませることもできないで、何、モテてる気になってんの?だっさ…。悪いけど、やっぱ坂井とは、無理」 「は?」 「つまんない。楽しくない。ドキドキしない。あんたとは、一生無理だわー」 南崎はきっぱりとそう言って、さっさと歩いていって、いなくなってしまった。俺は頭をポリポリかいて、 「なんだよ、まったく!」 と呟いて辺りを見回してみた。ここはファッションビルで、洋服やら雑貨屋、レストランが入っている。岐阜駅前の大きなショッピングビルまで連れてきといて、ここでポイされるとは。コーヒーでも飲んで帰るか…。そう思ってコーヒーショップに向かっていると、 「あれー?理?理じゃん?!」 と聞き慣れた女の声が聞こえてきて、ギクッとして立ち止まった。 振り返るか? いや、このまま聞こえないフリで逃げ切れば。 「シカトすんな、このクソガキが!!フルネームで呼ぶぞ」 そう言われると、ため息をついて仕方なくゆっくりと振り向いた。 そこにいたのは、俺の姉貴、坂井仁美だ。現役大学生で、口が悪いし手も早い。(暴力の意味で)
/183ページ

最初のコメントを投稿しよう!

334人が本棚に入れています
本棚に追加