序章 恋愛の資格は剥奪された

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それから3日ほど、行方不明になってて、その子の親が俺にも会いにきた。でも、会ってない。俺が何かと疑われたけど、会ってないし、知らない。 そんな風に、他人事のように思って、深刻に考えていなかったんだ。 そして、学校側からその女の子が遺体として発見されたことをみんなに報告されて、俺は茫然とした。 待ち合わせ場所に、俺が行かなかったから。 俺がすっぽかしたから。 罪悪感というものを、生まれて初めて感じて、胸が痛くて苦しくなった。 彼女の親にも責められた。うちの親は、必死に謝ってて…でも、俺にはよく理解出来ていなかった。なんで俺が悪いのか。そんなことばかり、考えてたんだ。 彼女の事件の担当は、井上(いのうえ)利一(としかず)刑事だった。その頃は30代過ぎてたと思うけど、よく知らない。がたいのいい白い歯並びのおじさんだ。 「君は、彼女のことをどう思ってる?いや、どう思ってた?」 井上さんに言われて、俺は言葉を探した…何も、浮かばない。 「好きか?」 「いや」 「嫌いか?」 「別に」 「いなくなって、寂しいか?」 「いや」 「また、会いたい?」 俺はどの質問も、否定した。井上さんはため息をついて、 「それでも、罪悪感に苛まれてるんだな」 井上さんにそう言われて、俺は初めて、泣いた。 「わかんねぇよ。好きでもなんでもなかった。可愛かったと思うよ。でもそれだけだ。なのに、あいつはいつも笑ってた。それでもいつか好きになって…なんて言ってて、馬鹿な夢を見てた。
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