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そうして、今年の夏は海とプールに明け暮れて、クタクタだった。海は、ほぼほぼ逆ナンに遭い、プールはナンパもしたし女からも声がかかったり。忙しかった。
3人とも彼女ができても長続きはしないで、二学期は3人ともフリーで始まった。
「坂井は何回警察のご厄介になった?」
鳥越に言われて、俺は頭をかいて、
「えぇ?数えてない」
と笑って答えると、冨田と鳥越は声を上げて笑った。
生徒玄関で俺たちは会ったから、教室までのんびり歩いていくと、
「喧嘩は辞めたんじゃなかったっけ?」
と鳥越に言われて、俺は頷いて、
「自分からは仕掛けてないし。売られた喧嘩は買うべし!」
と自信満々に言うと、富田は呆れたように俺を見た。
「まぁ、坂井がいるから、喧嘩とかふっかけられても、安心だけどな」
「顔は大事だぞー。喧嘩しても、顔はやめろよ」
さすが、イケメンはカオが命か!
そうして教室に入ると、俺の席の隣に小麦色に焼けた肌の長い髪の美人が座っていた。俺たちは驚いて、ドアのところで固まっていた。
「え?誰だっけ?」
「見たことあるよ」
「あっ」
鳥越が目を丸くして、俺たちを見つめた。俺と富田は鳥越を見て、
「え?お前の女?」
と言うと、鳥越は吹き出して笑った。
「お前ら、なかなか薄情だよな?」
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