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「あー、…勘違いされたか。俺は、付き合うのって、めんどくさい。デートもろくにできないし。一緒にいても、エッチ以外することないし」
俺は苦い顔をして言うと、先日南崎や姉貴にボロクソに言われたことが、頭の中を駆け巡っていた。
「まぁ、そういうなよ。じゃあさ、2人じゃなくてみんなで遊んでればいいんじゃね?まぁ、おまえと兄弟になるのは、なんか、へんな感じなんだけど」
鳥越が言うと、俺はプッと吹き出して、
「とっくに、兄弟なような気がする。知らないとこで…」
と呟くと、鳥越は目を丸くして身を乗り出した。
「なんだと?!誰だ!どの女だ!!」
「さぁ?じゃ、戻るか。とりあえず松田のことは…まぁ、付き合ってみるよ」
「オォ。頼むよ」
俺と鳥越は立ち上がって、自販機で缶コーヒーを買ってその場で一気に飲み干して、教室に戻っていった。
松田夏菜子か。
なるほど。ちょっと、様子みるか。
*
その日の帰り、俺と鳥越、富田は、同じクラスの女子、松田夏菜子と小宮奈美、中山芽衣子と6人でカラオケに行った。
最近この女子3人で、よく一緒にいる。仲良くなれたんだろう。
富田と中山はカラオケ大好き組。小宮は鳥越に口説かれ中。
で、松田夏菜子は俺の隣にいて、
「あの…。ずっと、お礼を言いたかったんだけどね。なかなか、話す機会…なくて。あの時、助けてくれてありがとう」
と言って頭を下げてきた。
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