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松田がしおらしく言うと、俺はコーラをストローで飲みながら、足を組んだ。
「たまたまだ。特に意味はない」
「で、お礼をしたいんですけど」
「お礼?」
「坂井くんには、ものとかよりも、…もっといいお礼が効くって噂で聞いて、その…」
誰がどんな噂してんだ?!でも、確かにモノなんかより、…いやいや、そんなことじゃなくて。
俺は松田を見て、
「でも、お前…鳥越とは?」
聞いてるけど、知らんぷりして聞いてみた。鳥越が向こうの方で「いけ!いけ!」と唇だけ動かしている。
ほっとけ!
「鳥越くんとは、何もありません。それより坂井くん、今彼女いないって聞いたけど、私じゃだめですか?」
鳥越とは何もない、と言い切った!すげぇな。こいつ。
松田は頬をピンクに染めて微笑んで俺を見つめた。
「私、坂井くんのこと好きなの。彼女にしてほしい。他にも女の子に手を出す?それでもいい。でも、彼女になったら、私、そのことは見て見ぬふりしてあげる。でも、彼女の座だけは譲らない。どう?」
松田は俺の手を繋いできて、そう言って、首を傾げて俺を見つめる。
「言ってる意味が…よく分かんないんだけど」
俺は首を捻って考えた。
松田と付き合う。
他の女の子とは、今まで通りエッチできる。
てことは、前とは変わらないってこと?
それは、なかなかいいかも?
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