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俺が訊ねると、夏菜子は嬉しそうに笑って大きく頷いた。
「うん!!」
そうして、この頃から、俺は松田夏菜子と付き合うことになった。
無理にデートしなくてもいい。
好きにならなくても、いい。
他の子とエッチしてもいい。
数人で一緒に遊んで帰れば、デートに悩まなくても済む。
こんなおいしい話は、ないだろう?
それに、夏菜子はいいオンナだ。可愛い、と言うよりは大人っぽくて、綺麗な子。冗談とかいうタイプではないが、何を考えてるのか腹の底は探れない。
体の相性も、悪くはない。お互いに満足できるし、物足りなさも要求もない。夏菜子からも積極的だ。
夏菜子を抱きながら、
「そういえばさ、最初なんでケイコたちにいじめられてたんだ?」
と聞くと、夏菜子は喘ぎながら息を切らして俺の腕にしがみつき、
「…援交、って言われてたことだっけ?あれは離婚して離れ離れだった父と再会した時、ゆっくりお茶して、その場所がたまたまホテルの近くだったのを、誰かが通りかかって、見たの。中学からの友人がね」
と答えると、また大きく喘いでいた。
「それで疑われたんだ。でも、そいつも、なんでそんなとこにいたのかなぁ?」
「そうね。そういうことよ。でも、自分のことは棚に上げて、私をいじめたかったの。私は我慢して、やり過ごすしかないと思って諦めてたし。だから、坂井が庇ってくれて、嬉しかったの」
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