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いじめかな。くだらないこと、まだしてるんだな。
俺は目を閉じて、また寝るフリをすることにした。
「ねぇ。答えなさいよぉ。噂は本当なんでしょう?おじさんとデートしてるとか。どこでそういうバイト、見つけるの〜?」
女の子3人くらいで、大人しめな女子をいじめている。すると、俺の後ろに座っている男が、シャーペンの頭の部分で俺を突っついて来て、俺は少し振り向いてそいつを見た。
「あーゆー類のイジメって、永久になくならないんだよな。女子は怖いけど。でもさ、手懐けると、可愛いもんだぞ」
「可愛い?」
よく見ると、アイドル並みに整った顔立ちをしている。女子ウケしそうだ。下手したら、校内でトップに入るくらいイケメンなんじゃねぇか?他を知らないけど。
「俺さ、鳥越。鳥越昊ってんだ。よろしくな」
「俺は坂井理」
「坂井か!よろしくな、あともう1人、仲良くなったのがいるんだ!」
鳥越は襟足までふわりと髪を伸ばしていて、窓外から風が吹くと、その髪がそよいでいる。カッコいいやつだなぁ。絵になる。女がほっとかない感じ。そこに、
「うぃーす!!合コンしない?となりの私立女子校と!!」
と言って明るい笑顔の人懐っこそうな犬みたいな男が寄って来た。
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