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「お前…富田?」
俺が呆れた口調で言うと、富田は俺を見て顔を覗き込んでくると、
「坂井!俺の存在忘れてたろ?!薄情者!!富田悠介!よろしくな!」
と笑って言うと、鳥越は机に両手をついて、
「よし!この3人で、高校よろしくな!合コン大歓迎!!来るもの拒まず!」
と無邪気に言い放った。
そうだった。富田悠介。明るくてまぁまぁイケメンだ。中学一緒で、まぁ、よく話してたやつだ。気楽で気兼ねもいらないから話しやすい。
「坂井さ、なんかいきなり注目されてたな。喧嘩っぱやいってバレてんじゃん」
富田が笑いながら言うと、俺はまたため息をこぼした。
「一応、もう喧嘩はしないつもり。変なのが絡んでこなきゃな」
「喧嘩なんてやめとけよ。痛い思いするだけだ。そんなのよりさ、もっと楽しいこと、した方がいいって!ここ、女の子の質、結構いいよ。楽しくなりそう。お前ら、もう経験は?」
鳥越が机に肘をついて言うと、俺は頷いた。
「アッチのだろ?とっく、済み」
「俺もした!でも今彼女いないんだよー。お前らは?」
富田が頬杖ついて聞いてくる。
「いない」
「坂井、モテそうだから大丈夫!俺は2人いる」
「2人?!同時進行?!」
富田が身を乗り出して言うと、俺も驚いて鳥越を見た。
「お前器用だな。俺はその辺、ちょっと不器用なほう。バレて、ぶたれる」
俺も頬杖をついて言うと、鳥越は声を上げて笑った。
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