Chapter1 遭遇

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ウウウウウゥ……  突然、外からサイレンの音が鳴り始めた。  何か事件でも起きたのだろうか?  「…?何だろ?」  「…ちょっと見に行こうか。」  そう言うと私は牛丼を一気に食べ、席を立ち上がる。  そして、サイレンが鳴った方へと向かう───。  「何かあったんですか?」  「…ああ、たった今このビルで殺人事件が起きたんだ。今その現場に向かっている所であってね。」  目の前にあるのは、8階くらい建てられたビル。  この中で起きたのだろうか。  「犯人は今、どうなってます?」  「それがな…、まだ捕まってないらしいんだ。相当逃げ足が速いらしくてね。」  「あの、実際どうなってるか見せてくれませんか?」  「え?お姉ちゃん…?」  会話だけではわからないと思い、私は現場に入ろうとする。  普通はダメだけど、どうしても気になってしまう。  「いやいや、一般人を現場に入れる訳にはいかないよ。」  「もしかしたら、犯人の特徴に繋がる何かがあるかもしれません。だから、お願いします。」  「しかしだなぁ…。」  うーん、やはり難しそうか…?  「とりあえず、何か証拠が出れば俺が調べに行くけど…、それでもいいかい?」  「ええ、でも…。」  調べに行かせるのはなぁ…。  でも一般人が入れないのなら、そうしても良さそうだけど…。  「あら?なら私が案内しましょうか?」  突然、後ろから女性の声が聞こえた。  そこには、とても綺麗で上品そうな女性が一人立っていた。  「え、でも…。」  「私はこのビルの関係者なの。いいでしょ?」  「いや、関係者だからって、現場に案内させるのは…。」  「もし何かあったら、私が責任取るから。」  なんてストレートなんだろう。  思わず見入ってしまった。  「…いいんですか?」  「ええ。あなたはお巡りさんのお手伝いをしたいだけでしょ?」  「お手伝いというか…。」  「まあいいわ。付いて来なさい。」  本当にいいのか。でも中が気になってしょうがない。  私は、その女性に付いて行く事にした。
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