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ウウウウウゥ……
突然、外からサイレンの音が鳴り始めた。
何か事件でも起きたのだろうか?
「…?何だろ?」
「…ちょっと見に行こうか。」
そう言うと私は牛丼を一気に食べ、席を立ち上がる。
そして、サイレンが鳴った方へと向かう───。
「何かあったんですか?」
「…ああ、たった今このビルで殺人事件が起きたんだ。今その現場に向かっている所であってね。」
目の前にあるのは、8階くらい建てられたビル。
この中で起きたのだろうか。
「犯人は今、どうなってます?」
「それがな…、まだ捕まってないらしいんだ。相当逃げ足が速いらしくてね。」
「あの、実際どうなってるか見せてくれませんか?」
「え?お姉ちゃん…?」
会話だけではわからないと思い、私は現場に入ろうとする。
普通はダメだけど、どうしても気になってしまう。
「いやいや、一般人を現場に入れる訳にはいかないよ。」
「もしかしたら、犯人の特徴に繋がる何かがあるかもしれません。だから、お願いします。」
「しかしだなぁ…。」
うーん、やはり難しそうか…?
「とりあえず、何か証拠が出れば俺が調べに行くけど…、それでもいいかい?」
「ええ、でも…。」
調べに行かせるのはなぁ…。
でも一般人が入れないのなら、そうしても良さそうだけど…。
「あら?なら私が案内しましょうか?」
突然、後ろから女性の声が聞こえた。
そこには、とても綺麗で上品そうな女性が一人立っていた。
「え、でも…。」
「私はこのビルの関係者なの。いいでしょ?」
「いや、関係者だからって、現場に案内させるのは…。」
「もし何かあったら、私が責任取るから。」
なんてストレートなんだろう。
思わず見入ってしまった。
「…いいんですか?」
「ええ。あなたはお巡りさんのお手伝いをしたいだけでしょ?」
「お手伝いというか…。」
「まあいいわ。付いて来なさい。」
本当にいいのか。でも中が気になってしょうがない。
私は、その女性に付いて行く事にした。
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