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ビルの中は、いかにもオフィスって感じだ。
…という事は、ここは株式会社か何かかな?
そんな場所で殺人事件なんて、普通は考えられない。
「…ここが殺人現場ね。」
着いたみたいだ。
「あ、ちょっと、勝手に入られちゃ困りますよ。」
「いいのよ。私はここの関係者だから。
何かあったら、私が責任取るわ。」
とりあえず、中に入らせてもらった。
そこには、一人の女性の死体が転がっていた。
「うわぁ…、酷い…。」
それを見た若葉は、背筋を凍らせて呟いた。
死体には胸に銃創があり、腹に4箇所刺傷が残っている。
恐らく犯人は銃で女性を撃った後、倒れた好きに刃物で刺した…という事になるかな。
「犯人の特徴とかはありますか?」
「ああ、たった今調べたけど、こいつみたいなんだ。」
警察がそう言うと、犯人の写真を私達に見せた。
「うーん…、見た事ないですね…。」
「名前は「大屋 佐江子」。どんな人物かは、具体的にはわかっていない。」
「そうですか…。」
とりあえず、私も写真の中の犯人を探してみる事にする。
「この写真、私が貰ってもいいですか?」
「え?別にいいが…、何するんだい?」
「理由はないけど…、でも、もしも見つけた時に通報できるかと。」
「大丈夫なのか?一般人に任せる事は…。」
「いえ、こう見えて事件には慣れてます。なので、お願いします。」
「…そこまで言うなら…。」
そして私は写真を頼りにして、犯人探しを始めた───。
「あのさ、お姉ちゃん。」
「ん?」
若葉が何か言いたそうにしている。
何だろう?
「この写真の人、私知ってるよ。」
「…え?知り合い?」
「ううん。というか、お姉ちゃんが気付いてないだけだよ。」
若葉の口から語られるその言葉は───。
「この人、さっき私達を案内してた女の人だよ。」
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