Chapter1 遭遇

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 「…!…なんだって…!?」  さっきのあの綺麗な女の人が…!?この事件の犯人…!?  でもそんな事が…。  「写真見た時、何か見た事あるなーって女の人を見てみたら、その人が犯人だった。  あの人はきっと、自分が被害者の女の人を殺した犯人だっていう事、隠してたんだよ。」  「…嘘…でしょ…?」  どうやら若葉には、さっき私達を案内していた女の人が犯人だと認識していたらしい。  バレないようにサングラスで変装していたって事か…!  くそ!何であの時気づけなかったんだ!  「…とりあえず、そいつを探そう。まずはそこから。  このまま黙っていられないから。」  「わかった。」  私と若葉は、もう一度会いに行こうと女の人の所へと走り出していった。  「あの人じゃない?」  見つけた。あの女の人。  見た目が一致してる。  「あの!」  「ん?あら、さっきの子じゃない。どうかしたの?」  面と向かえば微笑みを浮かべる。  けど、若葉が犯人見つけたって言うから、ダメ元でやってみる。  「さっきの事件の話ですが…。あなた、この人をご存知で?」  私はさっきの写真を女の人に見せた。  女の人はその写真を凝視して、考える素振りを見せる。  「うーん、これがどうかしたの?」  「この写真の人物が犯人みたいなんです。何か心当たりは?」  「……。」  黙り込んだ。  ここで言ってしまうチャンスかな。  「「大屋 佐江子」を、ご存知ですか?」  「……。」  名前を言い出すと、また黙り込む。  どうやら当たりだったみたい。  「…あーあ、バレちゃったか。」  女はそう言うと、変装していた身ぐるみを脱ぎ捨てた。  正体を現したのだ。  「…それがあんたの姿ですか?」  「もう言い逃れできそうにないからね。これ以上知られてしまったら、取り返しようがないもの。  そうよ。私が「大屋 佐江子」。」  そう言うと、女…大屋 佐江子は、本当の自分を明かしたのだ。  ヘッドドレス、胸元が大きく開いた赤黒のワンピース、赤のハイヒールを着用していた。  流石に女の私でも、胸元に今にも見えそうな部分がある思ってしまう。  …何がとは言わないけど。  「それじゃあ…、やっぱりあなたが…?」  「ここまで知られた以上、あんた達を見過ごす訳にもいかないからね。  大人しくここで死んでもらうわ。」  殺気漂うオーラが感じる。  どうするか…。今の若葉も敵わなそうだし…。  「…お姉ちゃん。」  「…?」  「…やろう。」  「…え?」  突然、若葉が口走った。  もしかして若葉は…、こいつと戦うのか?  「若葉…、本気なの?」  「本気だよ。そうでなかったら何?  私だって、もう守られる立場は卒業したの。」  「…若葉…。」  若葉は私と同じ、刀を教わっていたが…。  他人の前になると、いつも私の陰に隠れていて、物凄く人見知りだった。  そんな人見知りな妹が、こんなに成長するなんて思わなかった。  「へぇ…、いい度胸してるじゃない。でも、私はそう簡単には倒されないわよ?」  「そんなの、やってみないとわかんないじゃん。」  若葉は本気の目をしていた。  私も、腹括って刀を構える。  「じゃあ行くよ。若葉。」  「さあ、地獄の時間を味わいなさい!!」  戦いが始まった。  私と若葉の刀と、大屋の拳が今、ぶつかり合う───。
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