Chapter2 仲間

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 現在、午前7時。  いつもなら遅く起きるのに、今日は珍しく朝早くから目が覚めた。  私は巣の中で、スマホの画面を覗いていた。  昨日の事件が、早速ニュースとなっている。  あのビルで一般の女の人が、大屋によって殺された件。  きっと記者がそれを聞いて、ニュース記事に載せたのだろう。  仕事が早い。  若葉は、隣で寝息を立てている。  若葉の可愛い寝顔は、幼い頃から変わらない。  そっと優しく撫でると、猫のように身体を丸める。  こんな姉の元に、こんな可愛い妹ができて、本当に良かったと思う。  「…気晴らしにどこかぶらつこうかな。」  若葉を巣で寝かせておき、私は外に出る。  朝の街は静かだ。  少々吹く風が心地良い。  流石夏って感じだ。  (そうだ、朝食を買っていこうかな。コンビニににでも行こうか。)  私はそう心の声で呟き、いつも行っているコンビニへと足を運んだ。  「いらっしゃいませー。」  朝早くからお疲れ様です。  確か若葉は、「甘酸っぱレモンブレッド」が好きだったはず。  ついでにレモンティーでも買っていこうかな。  それだけ若葉は、酸っぱい物が大好きって事。  私はいつものメロンパンをかごに入れる。  お、これ最後の1個じゃん。ラッキー。  私はそのメロンパンをかごに入れ、レジへ向かおうとした。  その時だった。
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