Chapter2 仲間

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 「おい、待てやコラ。姉ちゃん。」  「…ん?」  突然、後ろから呼びかけられた。  そこにいたのは、ガラの悪い男がいた。  「お前今メロンパンかごに入れたな?だがそいつは俺によこせや。」  「…は?何でです?」  「それ最後の1個だろ?俺が食いてえ時に取ったお前が悪い。」  なんか、メロンパン取った事で喧嘩売られたんだけど。  ここは言い返してみるか。それでもダメだったら…。  「…いや、あなたより先に私が食べたいと思ったんですが。違いますか?」  「あぁ?」  「それにメロンパンなんて、他のお店にも売ってるでしょ?ここのメロンパンを独り占めする気なんですか?」  私はそう強がって言い返してみたが、その男に言い返すのも安易ではなかった。  「…どうしても渡さねえなら、力ずくで奪ってやるよ。  それでおあいこだろ?」  ……。  「…はぁ…。  何がおあいこなんだか…。」  「あ?」  もう私の感情は、怒りを通り越している。  我慢の限界が来ていた。  「…あんたみたいなのは、これ以上口出ししても何も進まない。  表に出ろ。」  私は、そう言って自動ドアの前にかごを置き、外に出た。  「…上等じゃねえか。」  「さて、てめえをさっさと殺して、メロンパン奪ってやるぜ!」  「…そう簡単にできると思わない事ね。」  私はそう言うと、鬼薙刀を構える。  もちろん鞘付きで。  マナーっていうのを教えてやろう。
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