Chapter2 仲間

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 「ぐふぁっ…!」  「こいつ…!何なんだよ…!」  敵は既に血まみれだ。  今回これくらいでいいかな?  「今なら瀕死で許してあげる。これ以上私に斬られる前に、ここから去った方がいいんじゃない?」  「…くそが…!」  敵はゆっくりと立ち上がり、足を引き摺りながら去っていった。  「あいつら…、何だったんだろう…。」  「さあ…。でも、どこかの団体だと思う。」  「え?どうしてそう思うの?」  「さっき戦ってた時、胸にバッジが付いてたんだ。」  そう、さっきの奴らはきっとどこかの団体だ。  気になる所だが、とりあえずそれは後回し。  今は大屋の居場所を突き止める所からだ。  「うーん…、特にこれといった証拠はないね。」  街中を歩き回っても、大屋が残した証拠の欠片もまだ何もない。  「…!待って、裏路地に何かある。」  「え?」  私は、近くの裏路地に何か赤黒いものがあるのに気付いた。  「これ…、血痕?」  「…だね。痕の感じからして、既に時間が経ってる。」  アスファルトに、赤黒く染まった血痕が残されていた。  これはもしや大屋に関係されるものだと思う。  でも、死体がどこにもない。  恐らく凶器で出血させた後、その死体を別の場所に持ち去っていったと考えられる。  「派手にやってるなぁ…。」  「彼女を放っておいたらまずい。早くこの場所を安定させないと。  大屋は、他にも人を殺してる。下手したら何十人もかも。」  「そんな…。」  (…何故大屋は人を殺すようになったのか?でも今は答えが見つかりそうにない。  それがわかるものがこの先にあればいいんだけど、あまり安易なものではない事は確かだ。)  「…とりあえず、大屋と繋ぐものがわかればそれでいい。  若葉も協力してくれるよね?」  「当たり前でしょ?この街自体が危ないもん。  そのままの状態で暮らすなんて、考えたくもない。」  「…だね。」  若葉も、覚悟はできてるみたい。  そうと決まれば、早いとここの事件を終わらせないと。  「よお!松浦ぁ!!」  「ん?…!」  私は証拠探しに街を歩き回ってた途端、いきなり声をかけられた。  その方向は…。  上からだ。  「あんたを探してたぜ。やっと見つけた。」  声の主は、昨日私とやり合ったタンクトップ青年だった。  やっと見つけたって事は…、これはもしやだけど…。  「何か用?」  「決まってんだろ?あんたにリベンジしに来たんだ!  俺ぁあんたに勝つために何時間も特訓したんだ!今度こそあんたをぶちのめしてやる!!」  正直に言っていい?  面倒。  でもやらないとしつこく付きまとうだろうな…。  「…仕方ないなぁ…。もう今回だけだよ?」  「そうこなくっちゃな!!」  まったく、何でこんな時に…。  まあ、彼がやりたい事だったら別にいいけど。  「若葉、少しだけ待っててくれる?」  「う、うん…。」  「さあ、始めようか。  覚悟しろ!松浦あぁ!!」  二度目の戦いが始まる。  鞘付きの鬼薙刀を構え、前へと踏み出した───。
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