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『すいません、他を当たってくれますか?』
『別にいいじゃねえか。』
『あ、ちょっと!離してください!』
「うるさいなぁ…。」
嫌でも耳に入る。
そもそも何でこんな裏路地に女の人を連れてくるワケ?
まあ裏路地でメロンパン食べようとしていた私も同罪だけど…。
できれば静かに食べたい。
そう思うと、私は立ち上がる。
そして、アスファルトに置いてた刀を手に持った。
大丈夫。殺すつもりはないから。
刃が出ないように、ちゃんと鞘にしまっているから。
ちゃんと固定はされているから。
本当に悪しき奴らだけ、鞘から刃を出すから。
心配はいらない───。
「…何やってるんですか?こんな人気のない所裏路地で。」
「ん?お、いい感じの嬢ちゃんがいるじゃねえか!」
うわぁ…、標的変えたつもり?
でも、私をそう簡単に襲えると思わないでよね。
目の前には男が3人。
こんな奴らなら、ハエを叩くのより楽勝。
「あの!助けてください!」
「こんな人数相手に嬢ちゃん1人が勝てっこないだろ?」
「ふぅん、じゃあやってみます?
言っとくけど、こっちはあなたが思うような人ではないと思いますよ?」
「お?やるか?」
そう口走ると、私は刀を構える。
ちなみに私は、3つの刀を持っている。
二刀流の「斬裂刀」、1本の「鬼薙刀」。
斬裂刀は集団戦、鬼薙刀は対人戦に扱う。
どちらも親から伝授されたものだ。
これに含まれている「斬技(ざんぎ)」も、全て親から伝授されている。
相手は殴りかかってくる。遅い。
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