Chapter3 暗夜

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 「ほぇ~、ここが姉貴の…。」  「土足でいいよー。」  現在、私の巣。  さっきの戦いで青年と和解し、とりあえず巣を紹介する。  青年の名前は、「西園寺 涼介(さいおんじ りょうすけ)」というらしい。  バリバリの武闘派で、何よりも荒くれ者だ。  でもさっき、「大屋の事件を協力する」とは言っていたから、そうなれば心強い。  「んじゃ、今日から世話になるわ。よろしくな、姉貴!」  「…というか、あんたを弟子にした訳じゃないから、勘違いしないでよね。」  「わかってるよ。でも、大屋の事件を追う協力者となるのは変わりねえだろ?」  「そうかもしれないけどさ…。」  初めて入った仲間がこんなんでいいのだろうか…。  協力するのは構わないが、後先が不安だ…。  「もう一つ、お姉ちゃんは私のお姉ちゃんだよ!お姉ちゃんに手を出したら、私が許さないんだからね!」  「はいはい、わかってるよ。」  (うーん、若葉も涼介もどっちも同じだ…。)  そんなくだらない空間の中で、私はため息をついた。
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