Chapter3 暗夜

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 「…大屋軍?」  「ああ。それが奴らの団体名だ。」  涼介の口から出た言葉、大屋軍。  主将は大屋佐江子…つまり事件を起こした彼女が率いっている暗殺部隊らしい。  「そんなのが街中にいるの?」  「ああ。誰であろうと平気で人を殺す。だから街中で呼びかけをしてるって訳だ。」  その大屋軍が、今回の事件の鍵となるだろう。  (…じゃあ、さっきのあの2人も大屋軍の一員なのかな…。)  私は内心そう思った。  奴らの胸に付いていたバッジ…、その大屋軍と聞いた時は、まさかと思ってた。  彼らの目的は何なのか。何のために人を殺しているのだろうか。  「まあ俺からは、これぐらいしか情報ないけどな…。  他にも何かあったら、すぐに姉貴に報告するよ。」  「うん。そうだと助かる。」  彼…涼介と若葉と私。  この3人が今、結成される───。  「なあなあ、俺達のチーム名どうする?」  「どうしたの?急に。」  いきなり涼介が、提案を先走った。  チーム名…か。そういえば考えてなかったな。  「俺ら今こうしてチーム組んでる訳だろ?何ならいっその事チーム名考えようかと思ってさ。」  「いいけど、私ネーミングセンスないよ?」  まあ、言われてみればそうだ。  あまりいい名前は、私にも若葉にもない。  そう思っていたが…。  「じゃあさ、あっちが「大屋軍」だったら、こっちは「松浦軍」でいいんじゃないか?」  「え、ちょっと、人の名前勝手に…。」  なんか勝手に私の苗字使われた。  いや、私のというか、若葉のもそうだけど…。  「松浦軍かぁ…。私はいいと思うよ!」  「え、えぇ…?」  どうやら若葉も賛成のようだ。  勝手に名前使われるのは気が乗らないけど…。  「どうだ?姉貴。」  「…仕方ないなぁ…。いいよ。松浦軍で。」  仕方なく決めた。  「よっしゃあ!じゃあ今日から俺らは松浦軍だ!  リーダーは姉貴、松浦奈那美!団員は松浦若葉、西園寺涼介!よろしく頼むぜ!!」  「ちょっと!勝手に進めないでよー!」  うーん…、どうも涼介の話に付いて行けない…。  こんなんで私、体力持つかなぁ…?
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