Chapter1 遭遇

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 外は生憎の雨。  冷たい空気と雫が、身体中に染み渡る。  「…寒い。」  気温も低いため、本当に寒い。  温かい缶コーヒーを飲んでも、すぐに温まる訳ではない。  もう8月だっていうのに、冷夏かと思うくらいだ。  そんな中で私は、街をぶらついていた。  雨の中でチラシを配る人や、藁箒で掃除をしている人がちらほら。  そこらの一般人みたいに、私は歩くだけの事。  「…お姉ちゃん?」  誰かが、私を呼んだ。  声のした方に振り向くと───。  「奈那美お姉ちゃん…だよね…?若葉だよ。松浦若葉!」  「…若葉…?」  そこにいたのは、松浦若葉。  私の、実の妹だ。  生き別れて以来、ずっと連絡も取れなかった。  若葉は私を目にした瞬間、目から雨のように涙を流していた。  「もう!ずっと会いたかったんだよ…!」  若葉は思いきり私の胸へと飛び付いた。  よほど寂しかったのだろう。
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