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「…そっか。まだ刀続けてるんだね。」
「うん。」
「私もそうだけどさ、お姉ちゃんみたいにはなれなくて…。」
「ん?どういう事?」
私は、若葉の発言に疑問を抱いた。
私みたいになれないとは…。
「お姉ちゃんは踊ったりしてるみたいに、二刀流で戦ってるでしょ?そんなの、私は真似できないなぁって思って。」
まあ確かに私は斬裂刀を使う時は、回ったりしてまとめて斬ってるけど…。
流石に技術を多く持っていないとできない。
ちなみに、若葉の刀は1本だけ。
端から見たら二刀流で踊り狂うなんて、普通の人間はできっこない。
「お姉ちゃんはすごいよ。私のできないような事ができるもん。」
「そうかな?」
ちょっぴり羨ましがる若葉が可愛らしい。
若葉もきっと私のようになりたいと、ずっと背中を追い続けていたんだろう。
もしもそうなら話はわかる。
若葉ほ昔からずっと、私の容姿を見てきた。
確か、「ずっとお姉ちゃんの傍にいたい!」なんて言ってたっけ。
あの頃に言われた言葉は忘れもしない。
でもしばらくして、生き別れてしまったのだから、寂しい思いをさせてしまった。
私って、悪い姉だなぁ…。
姉になるって、何だろう?
妹ができて、姉ができる事って、どういう事だろう?
今思えば、それがはっきりとわかっていない。
姉って、何だろう?
でも、若葉は…。
私の大切な、可愛い妹。
ずっと大切にしてきた。
でも、生き別れたあの頃、若葉は私を嫌っているんじゃないかと、不安に思っていた。
怖い。
痛い。
ずっとそんな日々を過ごしていた───。
「…姉……ん……。……ちゃん…。」
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