星が降る日に備えて

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そんな経緯があってイザレアはこの『第17回降星対策委員会』と掲げられた威厳ある会場で席に着いているのである。 未だ選ばれた実感はない。 周囲にいるのはエリート魔法学校の子たちばかりであり、彼女はまだ自分はここにいるのは場違いなのではないかという考えが拭えなかった。 対策委員会の会長のお話が終わり、イザレアは深呼吸をして肺の底から息を吐き出した。 この厳かな場にいるだけで緊張する。 そんなとき突然後ろから肩を叩かれたから思わず彼女は「はいっ」と普段よりもキーの高い声を出してしまう。 慌てて後ろを向くとエリート魔法学校の子が笑顔でこちらを向いていた。 「あなた見慣れない子だけど名前はなんて言うの?」 「えっと…私はイザレアと言います…」 イザレアは緊張してボソボソとした声で返事をしてしまう。 「イザレアさんって言うんだね。私はキーナ。よろしくね。」 そう言ってキーナはイザレアに向けて手を差し出した。 イザレアも手を差し出して2人は握手を交わした。 「私たち隣の地区の担当みたいだね。」 そう言ってクリアファイルに入れていた紙を取り出した。 「あ、ほんとですね。でもこんなのどこで貰ったんですか?」 「あはは、お母さんからこっそり借りちゃったんだ。」 「お母さん?」 「私のお母さんあの人。」 そう言って指をさした先には会長がいた。 「キーナさんのお母さん会長さんなんですか!?」 「まあ、そんなところかな。」 そう言うとキーナは照れ臭そうに笑った。 「お母さんも前回の降星対策委員会でメンバーだったんだ。」 キーナは少し胸を張る。 魔女の年齢の感覚は人間とは全く違う。 故にキーナのお母さんが約100年前の降星対策委員会のメンバーに選ばれていることは何ら不思議なことではないのである。 「うわぁ、すごいですね!じゃあキーナさんと近くの地区だったら安心ですね!」 お世辞でもなんでもなくイザレアは心の底からそう言った。 「あはは、そう言ってくれると嬉しいね…」 キーナの声はどこか不安そうだった。 キーナには少し不安なことがあったのである…
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