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キーナの不安
キーナにとって降星対策委員会のメンバーに選ばれることは既定路線であった。
木から離れたリンゴが地面に向かって落ちるように、地球が太陽の周りを回っているように、そのくらいキーナにとっては当たり前のことであった。
彼女の家は代々優秀な魔女であり、降星対策委員会のメンバーを務めている。
キーナ自身もまた優秀な成績を上げており、ましてや彼女の母親が今年の降星対策委員会の会長をしているのである。
選ばれない道理はない。
だから降星対策委員会のメンバーとして名前を呼ばれたときの感動なんてものはなかった。
ただ当たり前に校内からたくさん選ばれた降星対策委員会のメンバーの1人として参加するだけである。
もっともその日家に帰り選ばれたことを事務的に母親に報告した際に彼女の中で不安の気持ちが生まれてしまうのだが…
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