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 既にSNSへ公開していた漫画を出すと、涼真は食い入るように見た。 「……絵も綺麗だし、かなり上手いな」  率直な感想に、悠斗は誇らしげに胸を張った。 「まぁ、このくらいはな。ここのシーンのローアングルも映えているだろう?」 「そうだな。とても目を引く」  そうして最後まで見たところで、涼真はポツリと呟いた。 「君は、作画が向いているな」 (?)  何か引っ掛かる言い方だが、褒めているのには変わりない。  悠斗はソファーへドスンと腰を下ろすと、チラッと涼真を見遣った。 「じゃあ、決まりだな? あとは、俺の問題か……ああ、訛りの件ならOKだ。そのくらいなら協力してやるよ」 「すまない」 「で、問題はBLってジャンルのコミカライズなんだが……こっちもプロだ、腹を括って取り組むか。来週にはプロットを――」  得意気に語り出す悠斗に、爆弾発言がぶつけられた。 「絵は文句なしのレベルで魅力的だが、君のは面白くない」 「っ!!」 「ストーリーが平凡すぎる。絵はずっと見ていたいが、この漫画の続きは興味ない」 「な――何だとっ!」  それは、無礼にも程があるだろう!  ガタっと立ち上がると、悠斗は涼真の胸倉を掴んだ。 「てめぇ、もう一回言ってみろ!」  だが、涼真は恐ろしい程澄んだ瞳で悠斗を見返すだけだ。 『君の漫画は面白くない』  それは悪口や嫌味ではなく、真実を口にしたのだと悟り、悠斗の手から力が抜けた。  そして、ともすれば無頼漢のように尊大で横柄な態度の男だったとは思えない、悄然とした様子になると、再びソファーへと腰を下ろした。 「……耳に痛い事、言ってくれるよな」
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