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「直して欲しい」 「はぁ!?」  自信満々でネームを書き上げ、翌日、早速出版社で打ち合わせとなった所、予想外にもそう却下されてしまった。  これには面食らって、悠斗はショックのあまりに言葉が出てこない。  即座に反論したのは、一緒に編集部まで律儀に付いて来た涼真であった。 「何だと! これのどこが悪いと言うんだ? 僕は事前に読ませてもらったが、納得する内容だぞ!?」  眼前には、苦虫を嚙み潰したような表情の岸と、ニコニコ笑っている新人の中河が座っていた。  すると中河の方が、ケロッとした様子で口を開く。 「だって、創刊号ですよ? そしてお二人の合作は、目玉としてトップに載るんです。こんな内容ではとてもとても……」 「「何だと!!」」  いきり立つ作家に、岸が苦り切った様子で頭を下げた。 「スマン、今のは失言だ」 「いや、あんたが頭を下げても――」 「……もちろん、内容は文句なく良い。ストーリーもよく練られていて、とても一日やそこらで創作したとは思えない出来栄えだ」 「なら、なんで悠斗のネームがダメと言うんだ?」  涼真の問い掛けに、岸は溜め息をつきながら答えた。 「マリサ社長へ照会したところ、創刊号では必ずを入れて欲しいという事だ」 「成程ね、ラブシーンか……」  そのオーダーに、嘆息しながらも納得した様子の悠斗だが。  涼真の方は、怒り心頭といった様子で、猛然と抗議の声を上げた。 「ふざけないでもらいたい。僕はこれで良いと言ってるんだぞ? 作家の意志を無視した話を書かせるつもりかっ!」
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