意外な接点

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(どうしようか・・・。戻ってまた話をするのも辛いけど、ずっとここにいるってわけにもいかないし・・・) スタッフに探しに来られても嫌だしな・・・と、私は、トイレを出ることにした。 とりあえず会場の様子を覗いてみようと、抜き足差し足でバンケットホールに向かって行った。 そして、何歩か廊下を歩いたところで、後ろから、「真木野さん」と声をかけられ肩をビクッと震わせた。 「は、はい!?」 振り向くと、今田さんが立っていた。驚いた私の反応に、驚いているようだった。 「すみません。驚かせるつもりはなかったんですが」 「い、いえ。こちらこそすみません。静かだし、誰もいないと思っていたので」 (びっくりした・・・) 怪しげにトイレから出てきた姿を見られてしまった。よりによって、今田さんがいたなんて。恥ずかしすぎる・・・。 心の中で赤面する私をよそに、今田さんは嬉しそうな顔で言う。 「けどよかった。真木野さんと話せないまま終わるかなって思っていたから。真木野さん、すごくモテていたので・・・入る隙がなかったでしょう」 「い、いえいえ!今田さんこそ、女の子に囲まれてたじゃないですか」 「いや・・・・どうでしょう。どこがよかったのかな、という感じですけどね。それに僕は、真木野さんと話せればいいと思ってたから、どうやって抜け出そうかってずっと考えてたんですよ」 「えっ」 (そ、それって・・・) ドキン、と胸が高鳴った。 それって、それって・・・私を気に入ってるっていうことですか・・・? 尋ねるようにチラリと見ると、今田さんはにこっと笑った。 「告白タイムには早いけど、真木野さんの気持ちが他の人に行ってて選ばれないと困るから。よかったら、今、連絡先を渡してもいいですか」 (え、えーーーーーっ!!) これは、確実に!!気に入ってもらえてるんだ!! 心の中は、テンションMAXに近かった。表面上は、なんとか平静を装っているつもりだけれど。 「これ、僕のプライベート用の名刺です」 「は、はい。ありがとうございま・・・」 お礼を言って、名刺を受け取ろうとした時だった。
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