3.9 BLOODY MONDAY

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 三浦春馬さんは、私にとって好きな俳優さんだ。  でも、たくさんいる俳優さんの中でということになる。  会ったこともないし、ファンクラブのようなものにも入ってはいない。でも、私が好きな作品に多く関わっていて、その作品の中で彼が主役だったりいい役で出ていると聞くと嬉しかった。進撃の巨人もエレンは彼にしかできない。  好きな俳優さん。画面で動いていると、ついつい目で追ってしまう。好きか嫌いかで言うと、大好きな俳優さん。  7月18日の午後、珍しく仕事をしていた時にスマホが鳴って、確認をしたら訃報で(またか)と思った。でも名前が三浦春馬さんだった。  びっくりして「え~~~~~~~~!」と叫んでしまった。  声を出さなければ、ショックを抑えられなかった。時期が時期だったのでコロナで亡くなったのかと思ったら自殺だった。 『才能があったのにもったいない』 『何かできたかもしれないのに』  ワイドショーでそういう話を聞いた。  私も三浦春馬さんには、生きてこれからもずっと俳優として素敵な演技をみせてもらいたかった。  彼を観ているとドキドキわくわくして、恋する気分の一歩手前になれた。そんな俳優さんが逝ってしまったことはとても残念だ。  一応、他に発表がないのだから、彼は自分で自分を殺したのだろう。 『死ぬこと』は、彼が選んだのだろう。  私の考え方だが、そこまで追い詰められた人に、それでも生きろとは言いたくない。ぎりぎりの限界まできて、それを選ぶ気持ちになってしまったのだ。ワイドショーなどで話を聞いた感じ、真面目な感じで思いつめた結果のようだ。  少し、休んでほしい。  永遠の休みになってしまうわけではあるが……。  ここからは、私の勝手な妄想である。  会って話したこともない、ただの憧れの人物のことで、俳優さんとして観ていたけれど、どんな人かを知っているわけではない。  どんなに恵まれている環境と言われても、そこに留まっていることは認められない。周囲から求められるのはもっと上で、走り続けていなければいけない状態に置かれる。自分で満足できる結果を出しても『あなたはすごい人なのだから、それくらできて当然』という態度を取られる。  褒められても、それの裏を考えてしまうし、相手の本心も見えてしまう。基本が真面目だから、求められればそれを満たそうとしてしまう。本当にやりたいこともわからなくなってしまう。  そういう状態になれるのは、ほんの一握り。ある程度の高みに登れた人のみ。ぜいたくな悩みと言われるのかもしれないけれど、親しい人にもわかってもらえない。  人の悩みは千差万別で、同じものはない。だから対処方法なんてない。その人が自分で乗り越えなければならない。外からできることはない。  こう言っては申し訳ないが、外からの励ましなど意味がない。わかってもらえないだろうし『わかってもらいたくもない』。『あなたのことはわかっているよ』なんて言ってもらいたくない。  ―― お前になにがわかるんだ。  身近な大切な人を傷つけて、それにも気づかなくなる。  そんな自分が嫌になってしまったのかもしれない。  誰にも助けられない。  その負のスパイラルから、自分で出てくるしかない。
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