傷心JKが好きになったのは、心優しいOLでした。

クリスマスイブの夜に

　泣いている事を彩華に気付かれない様に、彩華に心配掛けないようにと、声を押し殺して泣いている紗絢を見て、彩華は自分はどうして、あんな事を言ってしまったんだろうと思った。
　「あ、あの紗絢？」
　紗絢は、俯いたまま答えない。
　（私、どうして紗絢のバカ！なんて言っちゃったの？紗絢は、いつも私の事を考えてくれてるのに、いつも優しくて、自分の事より私の事を考えてくれてるのに）
　彩華は後悔していた。寂しさで言ってしまった事で、紗絢を泣かせてしまった事に。
　「紗絢？あの......」
　紗絢は、身体を小刻みに震わせて泣いたまま答えない。
　彩華はどうしたらいいの？と思った。こんな時、すぐに慰められる程の経験なんてなかった。
　こんな紗絢見たくないのに、自分が泣かせてしまった。優しい紗絢を傷つけてしまったと。
　「紗絢、ごめんなさい。私そんなつもりなくて、寂しかったの。構ってほしくて、それで構ってもらえなくて、バカなんて思ってないのに、言ってしまって、それで......」
　紗絢は、涙を零しながら俯いたまま答えてくれない。