6人が本棚に入れています
本棚に追加
お金持ちの子息令嬢が集まる全寮制鳳凰学園。その校門に荷物をまとめた2人の生徒が居た。
日本を支配する5大財閥の一人娘、西行寺麗華と、学園長の知人の縁で入学してきた庶民の特待生である綾瀬桜だ。
2人は二年生、卒業まであと一年あるのに何故荷物をまとめたかと言えば…
「いやいやいやいや、私逆ハービッチしませんでしたよね?というか本当に何にもしてないんですけど?
なのにどうして麗華様まで退学になってるんですか?
酒豪だってのはチラホラお聞きしましたけど、お金持ちの夜会とかは15、16歳あたりの飲酒程度はご愛嬌なのでは?」
「…学園のカフェテリアに実家の権力を使って、お冷(水)に偽装したお冷(常温日本酒)を提供させていたのがバレましたのよ」
「いやいやいや麗華様外部受験生にも優しい、珍しいご令嬢だって人気なのに何故ピンポイントで変な使い方するんですか権力
というか西園寺家でも揉み消せないんですね…結構意外です。」
「そういう貴女は可愛いのにいつも臭いって有名でしたわよ。
休み時間のたびにダッシュで出て行くので最初はビッチがイベントこなしてるんだと思ってましたのに…屋上やら体育館裏でニコチン補給とか昭和の不良漫画ですの?!」
「いやー休み時間のたびに吸わないと授業に集中出来ないんですよね私
伊達に前世25歳で肺気腫で死んでませんよわはははは!!」
「うわ。
私は32まで生きたわよ。肝臓と、他にもあちこちボロボロで死ぬほど苦しかったけど…ていうか死んだけど。」
「うわー肝臓も辛そうですね。肺の苦しさもやばいですけどね」
「そこで張り合うのはやめましょう…本来の下らない男の取り合いより更に何倍もしょうもないわ」
「た、確かに!
というか、私達とことん反省という言葉が辞書から抹消されてますよね」
「ですわね。ここで一念発起しないと前世の二の舞ですわ!」
「お互い頑張りますか…あ、とりあえず今持ってるのは吸いきっちゃお」
「あらあら、結局買ってしまうのではなくて?百害あって一利なしですわよ。お酒は適度なら身体にも良いですけれど」
「適度なら、ですけどね〜麗華様実家では毎晩1升とか呑まれるそうで…」
そう言いながら、既に桜は煙草を咥えて火を点けている。インターバル短すぎである
麗華も金属製の上等なフラスコを鞄から優雅に取り出しウヰスキーを舐めた。
ヒロインと悪役令嬢(が励まし合う、依存症と)の戦いはこれからだ!!
〜完〜
最初のコメントを投稿しよう!