好きになって欲しいから

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「もう、な.......」 別に見たくもないのに.......と文句を口にしようとしたところで言葉に詰まる。 あたしの目に映り込んできたのは、友達と談笑する更科くんの姿。 「え、え!?」 ずっとあいたかったし、会えたら運命とかおもっていたくせにいざ目の当たりにすると足がすくんで動けない。 「瞳?」 「逃げたい.......」 どうすればいいかわからなくなったあたしの口から出てきたのはまた彼から逃げることでなんとも情けないものだった。 「は?逃げるってなにから?あ、イケメンこっちみた」 「.......っ」 あたしの後ろに友達がいるのか笑顔で手を振っている。 そして、視線を前に戻そうとして彼の視線の動きはあたしのところでとまる。 「.......やば」 あたしを見てめをみひらく更科くんに完全に気づかれてしまったと彼に背を向けて早足で歩き出す。 「ちょっと、瞳!」 菫が慌てたようにあたしを追いかけてくる。 「おい、待てよ!」 後ろから聞こえてくるデカい足音と彼の声。 「ちょっとこいつ借ります」 菫にペコッと頭をさげた更科くんはあたしの腕を掴んで歩き出す。 菫はいきなりイケメンが現れて戸惑っている。 「.......っ、更科くん」
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