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久しぶりに近くに更科くん感じてドキドキして、やっぱりあたしはこの人が好きなんだと実感する。
「お前こっち帰ってきて彼氏でもできた?」
「は?」
「逃げようとするし、そういう奴できたんかなって」
「いたら良かったとは思ってるよ」
もしも別に好きな人ができて、その人と付き合っていたらきっと「久しぶり」ってなんの感情もなく言えた。
それが出来ないのはあたしの中にしこりとして残ってしまっているから。
「俺はさ、お前に彼氏がいなくてホッとしてるよ?」
「.......へ?」
「もうお前の中に俺はいない?」
「ん?」
こんなこと言われたら勘違いしてしまいそうになるのに、この人はあたしに何を言わせたいのだろう。
好きにはならないけと、自分のことは好きでいてほしいとかそういうやつなのかな。
「俺の中に色濃くお前のこと残してったくせに、お前の中にはもう俺はいねーのかって聞いてんだよ」
「.......どういう」
「わかんねーのかよ」
「わかんないよ!言ってくれなきゃ!」
だって、勘違いして傷つきたくないもん。
「お前のこと、あの時も最近綺麗になったよなって思ってた」
「.......え?」
「2週間ちょっと毎日一緒にいて、俺の中いつの間に紫じゃなくてお前でいっぱいだったんだよ」
「.......っ」
「好きだよ」
「.......うそ」
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