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綺麗になったって思ってくれるなんて夢のようで、そして好きだって思ってくれるなんて有り得ないと思ってたから嬉しくて涙が出てきそうで顔を両手で覆う。
「嘘じゃない。気づくの遅くてごめんな」
手が伸びてきて、ぎゅっと抱きしめられる。
「あの日、手を伸ばしたとき拒絶されたから.......無理だと思ってた」
「あの時はビックリして答えだせなくて、でも綺麗になったって思ってから気になってから.......傷つけてごめんな」
「もういいよ。こうして伝えてくれたから」
嬉しくてぎゅーーーっと更科くんに抱きつく。
好きな人ができて、その人の好きな人に近づきたくてスキンケアだけでも真似をして。
綺麗って思われたかったのは、更科くんのことが好きだから。
誰だって好きな人に好かれたいから頑張るんだ。
「大好き!」
好きになって良かった。
好きになってもらえてよかった。
「つーかさらに綺麗になってんだけど」
「更科くんのために頑張ったんだよ。更科くんに好かれるために」
「可愛いこと言ってくれちゃうね。でもこれ以上は禁止。可愛すぎてお前のこと他のやつに見せたくなくなる」
「.......もう」
あの日、彼女のことしか見ていなかった彼は、今はもうあたしのことだけを見てくれている。
それがとてつもなく嬉しいのだ。
恋は人を綺麗に輝かせてくれて、それがもたらせた奇跡。
-Fin-
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