雨靴

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 十歳のカケルは、走るのが遅い。  運動会なんて大嫌いだ。  だから運動会の日、雨靴を履いていった。  こんなカンカン照りの運動会の日に雨靴なんて履いていけば、  それはもう、クラス中がカンカンだ。 「やる気はあるのか」と先生も怒っている。  でも、カケルは平気だ。  だって雨は降るに決まっているのだから。  本当のところ、やる気がないから、カケルは雨靴を履いてきたのだった。
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