ナナシ、創作の原点を思い出す、の巻。

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“ミロのヴィーナスを眺めながら、彼女がこんなにも魅惑的であるためには、両腕を失っていなければならなかったのだと、ぼくはふとふしぎな思いにとらわれたことがある” これは、詩人・小説家の清岡卓行さんが書いたエッセイ「手の変幻」に収録された「ミロのヴィーナス」の冒頭。高校の国語の教科書に載っているのかな?  いきなりどうした!? と思われる方もいるかもしれませんが、ナナシはこのエッセイが大好きなのです。 ミロのヴィーナスといえば、ご存知の通り両腕がありません。でも、とても魅力的で美しい作品です。ルーブル美術館に行ったときにどうして現物を見なかったのか悔やまれてなりません。 さてさて、清岡氏は「両腕がないことで、見る人は両腕を想像し、そのことがよりヴィーナスを美しいものにしている」と語ります。 “正しい答えがわからない”からこそ、自由に想像し、楽しむことを知った子ども時代。おそらく、このが、ナナシの創作の原点なのだと思います。
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