夜、コール。雨音。

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回線を伝って、雨音を重ねる。 意味なんてない。それでいい。 ただ、雨音を重ねる。 毎晩、毎晩。 幾度も、幾度も。 雨音を重ねる。 だが、それも永遠には続かない。──私が先か、相手が先かは分からない。いずれは両方、完全に壊れ、静寂だけが残される。だから、許される限り。 21時、電話──雨音。 雨も、いずれ止むだろう。
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