星降る夜は何を願う

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「高橋、腕のマークはなんの意味があると思う?」 休憩室を出た2人は再び聞き込み調査をするために 車を走らせていた。 その道中、中里はハンドルを握りながら、助手席に座る高橋に問いかけた。 「そうですね…なんとなく見覚えがある気がしないでもないんですけど…例えばどこかの国の数字で番号を振ってあるとか…」 資料の写真を見比べながら言うと高橋はポケットからスマートフォンを取り出し検索を始めた。 「んー、特にそれらしいものは無さそうですね… 犯人は自分の犯行だと分からせるために 適当なマークを彫ってるんじゃないですかね? ほら、シリアルキラーってやつですよ!」 「なるほどシリアルキラーか… だとすると犯人はまた犯行を犯す可能性が高いな」 会話が途切れ少しの沈黙が流れた。 中里は少し気分転換をしようとラジオを付けた。 『今日の未明から明日明朝にかけて ふたご座流星群がピークを迎えるでしょう。』 ラジオから放たれた声に耳を傾ける。 「流星群…あっ! 中里さん!これ、よく見たら星座のようにも 見えませんか!?」 突然高橋は大声を上げて信号待ちで手持ち無沙汰の中里に三枚の写真を並べて見せる。 「なるほど、星座か。高橋ちょっと調べてみろ」 中里は、高橋にスマートフォンで検索させた。 「中里さん、出ました。最初に殺された男性は… あった、この『りゅう座』って言うのに似ている気がしますね…」 「確かに似てる気もするな、2番目の女性は?」 「んー…ありました、オリオン座 続いて3人目は…獅子座…ですかね」 難航していた捜査がようやく動き出す。 中里は信号が青になったのを確認してゆっくりと 車のアクセルを踏み込んだ。
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