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「それが一番最初の被害者…ってことか」
「その通りです。妹の遺留品についていた車の塗料や目撃者を探したりして…犯人を見つけるのは
本当に苦労しましたよ」
犯行をあっさり自供した高橋に対して
中里はひとつの疑問を投げかけた。
「最初の男が轢き逃げ犯だったとして
あとの被害者たちは何故殺したんだ?」
高橋は答える。
「最初の男を殺した日…妹が僕の前に現れたんです。『私を轢いた奴を殺してくれてありがとう』って妹は僕に言ったんです」
さらに高橋は続ける。
「僕はもう一度妹に会いたかった。
流星群に願いながら人を殺せばまた妹が現れてくれるんです」
「おい…もしかして2人目以降の被害者は…」
「そうです、たまたまそこにいたから殺しました。
僕が妹に会うために」
「高橋…残念だよ、お前を逮捕しなきゃならん」
そう言うと中里はポケットから手錠を
取り出し、高橋の元へと歩を進めた。
残り2メートルほどの所で再び高橋が口を開く。
「僕にはもう1つ、願い事があるんです」
中里は足を止める。
「なんだ?」
「僕は…人を殺してしまいました。僕は死刑になりますよね。きっと地獄に行くことになります。
でも僕は…あの世で妹と幸せに過ごしたい
この流星群なら僕の願いを叶えてくれる…」
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