696人が本棚に入れています
本棚に追加
Just a kiss on your lips in the moonlight
月夜の下で キスするだけで
Just a touch of the fire burning so bright
まばゆい炎の煌めきを感じる
No, I don't want to mess this thing up
この恋を 失いたくないから
I don't want to push too far
ゆっくり 二人で歩んでいこう
Just a shot in the dark that you just might
暗闇に射し込む 一筋の光のように
Be the one I've been waiting for my whole life
ずっと待ち続けてた 運命の人なんだって
So baby, I'm alright with just a kiss goodnight
だから おやすみのキスだけでいいの
息することも忘れて、聴こえてきたのは
Lady Antebellum『Just a Kiss』
アタシはきっと
これからの未来
この曲を聴く度
今のこの時を、思い出すんだろうなって
朦朧とする意識の中で、思った。
伊勢谷の手が、後頭部を押さえて
伊勢谷の腕が、腰を強く引き寄せる
2人の身体の距離がなくなって
身体と身体が、ぴったりになった瞬間
アタシの身体が、大きく震えた
「・・ごめん」
伊勢谷の唇が離れて・・
顔をアタシの肩に埋めて、謝った・・?
「ど、して・・謝る、の?」
なぜに謝るのか、わかんない・・
「嫌がることは・・絶対しないって約束だったのに」
伊勢谷のため息混じりの掠れた声
「い、嫌がって、なんかな、いよ・・」
嫌じゃない・・
「奏・・」
伊勢谷に両頬を包まれて、額と額を合わせられる
「好きだ。本気で。」
「いせ、や・・・・」
すごく、息が荒い伊勢谷で・・・
「そんな顔、しないで・・」
絶対に、熱があるんじゃないかっていう、熱い息の伊勢谷
「でも、伊勢谷なんか・・熱があるんじゃ・・」
「違うから。」
「えっ!?」
腰を抱えられたと思ったら
一瞬にして、伊勢谷の上で?
あれ?
なんで伊勢谷の足の上に、跨ってるのアタシ。
「ちょっとだけ。このまま・・」
「や・・でも、伊勢谷、熱を測ったほうが、」
強く、抱きしめられて
「風邪じゃないから、大丈夫だから。」
「でも・・」
アタシの腰に両手を添えて、下を向いている伊勢谷。
「あぁ・・何しちゃってんだろ俺・・・」
「え?」
伊勢谷の腕は、アタシの背中を、ゆらゆらと撫でていたかと思えば、髪をなでたりして。
背中と髪を撫でられると。
ちょっと・・なんか。
ゾクゾクっとしてしまうと言いますか・・へんな感じ。
「少し待って、落ち着かせるから・・って、何逆効果のことしてんだろ」
「は?」
かと思えば、ブルブルっと震えたりもしてる。
やっぱりへんだ。
熱があって、寒くなったのかなって、伊勢谷の背中をさすると
「ほんとに、参るこの子・・ほんとに、どうすればいいの」
ブツブツと何かを呟いているようだけど。
下を向いてるから、よく聞こえない。
辛いなら、辛いってハッキリ言ってくれればいいのに。
伊勢谷の髪をいい子いい子する。
「もう、ほんとに勘弁して・・どうしたらいいの、もう・・・」
アタシの顔を見上げた伊勢谷は、やっぱり辛そうな顔。
眉間に皺が寄ってる。
だけど、カッコイイ。
なんか詐欺だ。
「はぁ・・ちょっと落ち着いた・・・」
力なく笑った伊勢谷の額に手を当てて熱を確かめて
「熱はないみたいだけど、辛い?」
首をかしげながら聞いた。
「はぁぁぁぁぁ・・」
めちゃめちゃ深いため息をついて、アタシの鎖骨に頭をつけた伊勢谷
そのため息、なんなの。
ちょっと傷つくんですけど!!
最初のコメントを投稿しよう!