ゴールじゃなくてスタート

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「姫、湿布臭い・・」 昔からそうだ 「後でティッシュあげるから鼻に詰めといて」 思えば、俺もそうだった(笑) 「ぶはっ!」 奏は、黙ってても、人を惹きつける魅力に溢れている 「・・かなりキツく吸い付かれた具合?」 「げっ!やっぱりわかる?ココでしょ?ファンデーションで誤魔化してもこれだよ?」 「ううん、ソコじゃなくて、ココにも」 「まじかっ!湿布だけでなくて卑猥臭も満載じゃん!恥ずかしくて死ねる」 恭介ですら、奏に会った途端、これだ・・ 「いっそ、黒いマジックで塗っちゃって大きいホクロにしちゃうとか」 「ついでにホクロ毛も書いて笑わせようか!」 「ぶはっ!それはちょっと(笑) 鞭打ちのガード付けるしか隠せないかな」 「それいいね!白いアレでしょ?哀れな感じでいい演出かも!」 「あはは!!」 あれだけ本人に向かってひどいことを言っておきながら 「とてもお綺麗ですよ」 「今まで存在を隠されてたうっぷん晴らし作戦としか思えないんですけろ」 「さすが朝陽のことをよく理解してる(笑)」 奏の傍から離れようとしないんだ 「恭介、そろそろ行くよ」 「了解」 車を回しに歩き出した恭介の後ろを付いて行こうとする奏の腕を取る 「奏はまだここにいて」 「車を取ってくるから姫は待ってて下さい」 奏に微笑んで言った後、俺の顔をチラ見して笑いを堪えながら去る恭介 俺が厄介払いしたのは、バレバレだけど そもそも、俺より先に綺麗だって伝えるとかないよね 「ありがとう、イケ眼鏡神谷!」 恭介の後ろ姿に、いつも通りヘンテコなお礼を言う奏は 俺の選んだダークブルーのロングドレスを身に纏い、ものすごく色っぽいのに・・ 湿布臭い(笑) 美しい背中、肩甲骨のライン きめ細かい透き通った白い肌、セクシーなうなじ 見ているだけで、欲情する(笑) 「奏、綺麗だ」 後ろから、そっと抱きしめ、首筋にキスをすると 「ちょ、こら、首に近づくな」 抵抗しつつも、身体を震わせるんだから、たまらない 「やばい・・」 「勃ったとか言うなよ」 「さすが、奏」 「息子、自重!もうほんと勘弁して!!」 「ぶはっ!息子って(笑)」
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