万年二位

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「家とか生徒会室のPCでもできるんで、持ち帰ってやりますし?」 「コピーは?」 「挟んでボタン押すくらいできるでしょう?」 「・・・面倒」 「・・・シネ」 「今、なんつった?」 「いえ、なにも。」 はぁあああああああああ 話になんねーぜ、こいつ。 疲れるだけだ。 退散だ、退散。 「ごちそうさまでしたー」 自分のカップとヤクザ桐生の空いたカップを持って、流し台でササッと洗い 「んじゃ、二度とここには来ませんのでよろしくー」 そう言って、部屋のドアを開けると 「柊」 「泣いて拝まれたって来やしませんよっ・・って、えっ!?」 呼び止められて、振り返った瞬間、なにかが飛んできて、キャッチする。 「うわっ!モモ尻ちゃんやないの~(ハート)」 手の中には、アタシの大好きな幸薄そうなキャラクター 『モモ尻ちゃんストラップ』 しかも、限定発売のレアものだ・・・ ほ、欲しい・・が、物で釣られるわけには・・いかない・・ 「珍しいの見つけたら手に入れてやるよ」 「ほんとにっ!?」 ・・・・・・・・あ。 「あぁ、またな」 これって、釣られたことになるのか? いや、今、突き返せばいいんだ。 でも・・・ この、いかにも幸が薄そうなだらしない顔のモモ尻ちゃんが 『見捨てないで』 って、言ってるんだよ・・・。 「・・・・じゃ、また・・・」 アタシは、力なく呟いて、部屋を出た。 「ぷっ・・」 閉めたドアの向こうで、ヤクザが吹き出した声が聞こえたが ・・・・・・モモ尻ちゃんは見捨てられなかったんだ・・・。
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