三.

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「クータ様と一緒ということは、乗客の方でしょうか?」 「そう。シン、切符を彼女に渡してくれるかい?」 「うん」  ポケットから取り出した乗車券を手渡す。ミシャはありがとうございます、と受け取ると確認するようにじっと名前が印刷されている表面を見つめた。 「確認いたしました。行き先はここになっていますので、このまま回収しても?」 「いや、途中下車扱いにしてあげて」 「あら、そうですか?」 「星見列車に乗ったことを覚えていないらしいんだ。元の目的地に送り届けてあげないといけないから」 「なるほど、分かりました」  ミシャはこくりとうなずくと、カードリーダーらしき機械を操作し、乗車券を通す。 「はい、これで降車処理は完了しました。また星見列車に乗るときに、お見せください」 「ありがとうございます」  切符を受け取るシンに、クータは耳元でささやくように言う。 「それは一枚しかないから、無くさないようにね」 「えっ、あ、うん」  そういったものの、ポケットに入れようとしたシンの手が止まる。このままポケットに入れたとして、歩いている時に落ちてしまうのではないだろうか? 「えっと……どこにしまおう……」  まさか口にくわえるわけにもいかない。しかし、服のポケット以外に収納できそうな場所もない。と、悩むシンにミシャが笑って提案した。
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